ある晴れた昼下がりのこと。
とある日本庭園の美しいお宅で、それは巻き起こった。
「こ、こんなもの俺が着れるか!!!」
怒声、罵声、悲鳴、絶叫。
どうとでも取れる大音量の声。
ええ、それはもう切実かつ苛立ちを含んだお声でして、よくよく考えてみれば周りのお宅にどれだけご迷惑を掛ける行為かも分かっているのかいないのか。
話を戻しましょう、絶叫した人物と絶叫させた人物をカメラに映しまして、はいスタート。
『恭也と服装』
「これ着てみてよ、恭ちゃん」
プクプクプーといわんばかりに顔を膨れさせていている高町家の長女、高町美由希さんが、真っ白なポロシャツとこれまた真っ白なジーンズ。とどめに真っ白な靴下に真っ白な靴。
これなんてホスト?といわんばかりの衣服の数々を差し出し、迫っております。
「だから言っているだろう。貴様俺にこれを着ろと?」
語尾が荒く、今にも目の前の妹さんを射殺してしまいそうなほどに目じりを吊り上げ睨んでいるのがこの高町家の中心であり色々と気苦労し、なおかつ無口で無愛想で無鉄砲でとどめに鈍感で。
高町家長男、高町恭也君が最初に大声で叫んでいたもよう、オーバー?
「着てみて、いっぺん自分の殻を破ってみるべきだよ、恭ちゃん。
身内贔屓を差し引いても恭ちゃん悪くないんだからさー」
どうやらこれが目的らしい。
若年寄、枯れているなどなど幾らでも家族から非難されている恭也君。
以前も、妹の美由希さんも恭也君のことを非難しております、恋人を作ってみてはどうか、と。
ですが、生まれてこのかた、恋人を作ったことのない美由希君に言われるのも癪な恭也君。『弟子が生意気なことを言うな』といって切り捨てたようで、その復讐なのかそれと本当に兄上君のことを思ってのことか、こんな彼が一度も着たことがないであろう真っ白な服を差し出すわけです。
「良いか美由希、よく聞けこの馬鹿弟子。俺がそんな真っ白な服を着たらどうなると思う」
至極思いつめた顔、そんな顔で話し始める恭也君を前にすると、美由希君も真剣に聞かざるを得ません。座して聞く姿勢を作る馬鹿弟子を前にするとついつい語気が荒くなるのでしょうか、遠慮なしに次から次へと矢継ぎ早に喚き散らします。
「こんな白い服を着てみろ、いきなり恐山にいるイタコのようになって『われは第六点魔王なり』とか言い出したり、某人造人間のように暴走したり、もしくはいきなり性別が反転したり、吸血鬼になって誰彼かまわず血を吸ったり、獣になって人肉を食したり……………あれこれあれこれ………………したらいったいどうする気だバカヤロウ!!」
途中から、というかしょっぱなから訳の分からなすぎる話を延々する兄のことを、頭のイカレタ狂人を見るかのように可哀想な蔑む目をしながら、話しかけます。
それはそれはもういっそう一思いに切って捨ててあげた方が良いのではないかという位に蔑み見下した視線です。
「はぁー、恭ちゃん、そんなことがあるわけないでしょ?現実見ようよ、現実」
「良いだろう…………着てやるよ。ただし、何が起こってもお前が責任持てよこのクソ弟子」
「ふぅ、やれやれ」
ひったくる様に美由希君から真っ白な服の数々を受け取る恭也君。
自分の部屋に戻ってそれに着替えるのか、ずんずんと足音を鳴らしながら引っ込みます。
兄の意外な一面を見たためか、パチクリと何度も瞬きをして見送る妹君。
いやいや君、そんな勝ち誇ったような、それでいてやっと兄が変わってくれるとか喜んでいる場合じゃないですよ?早く逃げたり、責任取る準備したらいかがですか?
とまあ、どんな状況が起こるか気づけるはずもない美由希は一人お庭でお兄ちゃんが出てくるのを待ちます。
きっと似合わない真っ白な服を着たお兄ちゃんを思いっきり笑い飛ばしてやるためにも。
『ごくりッ』
ここはところ変わって恭也君の私室、いわゆる畳張りの古風なお部屋ってやつです。
小さな机に本立て、押入れに壁に掛けてある風ヶ丘の制服に、彼がいつも鍛錬で使っている小太刀に小刀に飛針に鋼糸に鍛錬着に戦闘服。
ありとあらゆるものが彼を構成し、また彼の心血を注いでいるものあちこちであふれている。
そんな恭也君のためだけにある部屋に、異物が入り込んでいます。
言わずとも分かりますよね?そう、あの真っ白なポロシャツに真っ白なジーンズ。真っ白な靴下に真っ白な靴です。
まさに白尽くし、素っ裸になって変態的なアタックでも掛けるのでしょうかね?
『奈○尽くし』と言わんばかりのアレを。
とまあ、冗談はさておき。恭也君は部屋の中央に真っ白シリーズを置き、思わずため息吐いて逃げ出したくなって燃やしたくなっているわけですがそうも行かず、またもやため息を吐いて決心します。
「もう、なるようになれ、だな。いざ去らば」
諦めにも似た………………いいえ、どちらかというと遺言でしょうか?
顔が青ざめブルブルと震えながら白い服に着替えるために準備している彼の姿は滑稽を通り越して惨めにすら見えます。
ガサガサゴソゴソ。
着替えが完了した瞬間、それは起こってしまいました。
『アォオオオオオオオオオオン!!!』
まるで犬のような狼のような遠吠え。
唐突過ぎるその声の主を確認するために、あわてて美由希君はおにいちゃんの部屋に飛びこみます。
飛び込む寸前、何ともいえぬ気配に美由希君は戸惑います。
なんと表現したらよいのでしょう、狼の群れ?大猿の群れ?…………それとも、変態の群れ?何とも言い表せぬ巨大で背筋に怖気のような寒さが感じられます、ビンビン感じられます。
「きょ、恭ちゃーん。あけるよー」
そーっと、そーっと中を窺おうとしてお部屋のふすまを開けて見ます。
中を覗いてみると、呆然と立ち尽くしている恭也君の姿があります、おや何だか様子が変ですね。普段の彼なら気配画を感じて何かしらのリアクションをするはずなのに今日は何もありません。ありません?無いというより、無視してる感じかな?
後ろ手に襖を閉じながら美由希君はお部屋の中に入ります。
プンと香る畳のにおいが心地いいはずなのに何故でしょう、背筋が寒々してブルリと体が震えてしまいます。
「きょ、恭ちゃん?」
『ギョロリ』
声にこたえるように、恭也が目を向けます。そう、目だけ向けるのです。
顔を動かすことなく右の目だけが美由希君のほうに向きます、左はまっすぐ向いたままです、正直気持ち悪…………じゃなく、様子が以上です、危険です、犯罪のにおいがします。
ギョロッとした死んだ魚のような目、生気がまるでありません。
「キモッ!って、恭ちゃんホントどうした――――」と言いかけたところで部屋の中央、言ってみれば恭也君の周りが爆ぜます、それはそれはもう手榴弾でも投げ込んだのではと思うほど強烈に。
「ブフゥッ!!」
次の瞬間、美由希ちゃんの目の前に恭也君はいました。顎が外れたかのようにダラリと口をあけている様は異常で危険で、混沌です。
技も何もあったものでない右腕を振るい、美由希君の顔を捉えると襖を気にすることなく投げ捨てます。
中庭に放り投げられる美由希君。
受身を取り、跳ねるように起き上がると恭也君のことを油断なく窺います。
顔中が真っ赤です、張り手もどきで飛ばされたため、あちこちが痛いですがそんなこと考えている余裕はありません。
目の前に、恭也君が全身をダラリと力なくたっているからです。
異様です、異常です。
恭也君に鍛えられ、自ら磨き上げてきた脳内レッドランプがなりっぱなしです。
『Uryyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!!』
「ちょ、それ違!!」
いきなりの奇声。何でしょうね、美由希君は恭也君のおかしな立ち振る舞いから違うものが口から出ることでも考えていたのでしょうか。思わずノリ突っ込み。
ですが、その突込みがいけません。いけない?気に食わない?とにもかくにも一瞬で着てしまった隙を、殺戮キラーマシンと化していると思われる恭也君が見逃すはずありません。
あ、殺戮とキラーって同じこと言ってますね。
突進。一瞬にして美由希君との間を詰めると右フック一閃。
まるで投げ捨てられた人形のように美由希君、飛ぶ飛ぶ。
『ム…………ダ――――ム……ダム……ダ、Uryyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!!』
奇声、またもや奇声。片言に何か喋っているようですがどうということはありません。
気にする必要はないのです、それよりも大変なことが起っていますから。
仰向けに倒れた美由希君の上になんと恭也君が乗りました。ええ、馬乗りというやつです。
普段、奥手だ若年寄だなんていわれている恭也君にとってはとても珍しすぎる姿です。
何をするつもりなんでしょうね?あ、握りこぶしを振り上げました。
『ウホォウホォウホォウホホホホ!!』
もう、人間ではありませんね。
ケモノ…………いえ、ケダモノとしか形容しようのない様子の恭也君。
マウントポジションで美由希君のことを殴り続けます。あー拳を無防備にもらい続けている美由希君、ちょっとしたRINSITAIKENってやつですか?
『キュピピーン!!』
そのころお店で汗ダクダクになりながら働いている桃子さんのこめかみ辺りに何か走るものがありました。何とも言いようのないこの感覚。
「見える!!」
そうですか。
呆れた様子ですぐ隣にいる松尾さんが重たいため息をはいてます。
パンパンと手を鳴らしながら話しかける姿はさながら動物園の飼育員さんですか。
あ、それだと失礼ですね。え?どっちに対してって…………そりゃ両方に。
ってな訳で松尾さんの突っ込み。
「ほらほら店長、馬鹿なこと言っていないで手を動かして下さい」
「ねえ、まっちゃん。それ、普通なら店長の私が基本的に使うせりふじゃない?」
「そう思うのならちゃんとして下さい、店長」
「とまあ、冗談はここまでにして。桃子さんちょっと家に帰ります!」
「え、え?店長なに考えてるんですか!!」
「いやー、虫の知らせってやつ?何だか家で馬鹿兄妹が大ハッスルしてそうで気になるのよ」
「ハッスルハッスル!!って、それはどうでも良いですから」
「じゃあ、まっちゃんちょっとのあいだ店ヨロシク」
「って、あー!!!」
一目散に店から飛び出し、愛用の原付に飛び乗りウィリーしながら店から遠ざかって良く桃子さん。って、原付でウィリーって…………ムダにはちゃけ過ぎですよ、桃子さん。
とまあ、恭也君の暴走状態を野生の感ともニュー○イプとも言えるようなもので感じ取った桃子さんは一路高町邸へ。法定速度などなんのその。最高速度を振り切るほどがんがんエンジンを回します。
あれ、最高時速超えるってそれ…………。
「忍ちゃんにバリバリにいじってもらったのよ!!」
自分の愛車の自慢をするように叫ぶ桃子さん。
まあ、声は風に消え聞いている人はほとんどいないんですけどねー。
ってな訳で、高町邸到着。
門を開けるのももどかしげに鍵を開け、家の中に飛び込みます。
「馬鹿息子!!それと馬鹿娘!!」
むちゃくちゃなことをいい、飛び込み前転で進入に成功する桃子さん。
すると、彼女の耳に何か妙な音がします。『バキバキ』とか『Uryyyyy!!』とか『ガブッ』とか何とか。はっきり言って異様です。初めてバイオハザードで見たゾンビのようにチビッてしまいそうです。
「恭也、美由希。いるなら返事を――――」
言いかけた言葉がとまります。
真っ白な服を着た恭也君が美由希君の腹の上に乗り、タコ殴りしているのです。
あ、もう真っ白ではないですね。鼻血とか吐血とかで恭也君の服のあちこちは血の染みが出来てますもの。はっきり言ってホラーですよ。さんさんと降り注ぐ太陽の下で続いているというところがさらに異常事態、キモいです。
「あーもう、やっちゃたか」
何だか悟ったような桃子さん。引き返すように家の中に飛び込みます。
ええ、マウントポジションで殴られ続けている娘のことはとりあえず置いておいてです。
ガッサゴソガッサゴソ。お家のなかにある『とあるもの』を探して大捜索。
末娘のなのはちゃんのお部屋はまるで泥棒に入られたように引っ掻き回されます。
「あれー、アレどこだっけ」
と、言ったところで見つけたようです。真っ赤なハコに入っているそれを取り出すと今度はあわてて納戸に向かって、最終兵器を出します。
それはまさにリーサルウェポン。がっしりとした砲身に重たそうな銃身。
それを手馴れたように担ぎながら桃子さんは一路ベランダへ出ます。
え、桃子さんの持っているもの?それはですね――――――――――――『バズーカ』
先ほど家捜し(主になのはちゃんの部屋)をして探し出したものをあるものに詰め込みながら、さらにそれをバズーカにセットします。
玉は全部で三発。無駄にすることは出来ません。
『Uryyyyyyy!!』
誇らしげに叫びながら胸板を拳でどんどんと叩いている恭也君。
えーっと君?マウンテンゴリラをしたいのか、それとも吸血鬼になりたいのかどっちかはっきりしない?
なんてことをしていると、彼の頭上のほうから勝ち誇ったような声がします。
「恭也―!こっち向きなさい!!」
カモンカモン!!と挑発するように声を出しているのはもちろん桃子さん。
ベランダから身を乗り出しながらごっついバズーカを構え躊躇無くトリガーを引きます。
『ドゴンッ!!ベチャッ!!』
けたたましい音と、何か液体のようなものが叩きつけられ広がる音。
殺ったか。手応えを確かめるためバズーカについているスコープから目を離し確認します。
ですが、ヒットしたのは恭也君ではなく美由希君。水浸しになりながら咽ています。どうやら死んでいないようです。どんだけの生命力ですか、アレだけ無防備に殴られ続けていたのに。
恭也君はというと――――右足だけヒットしたようです、足を力なく引きづっています。
「チィッ!!仕留め損なったか」
舌打ちしながら悔しげにつぶやく桃子さん。セリフおかしいですよ、恭也君のこと殺すつもりですか?というか、恭也君もまだ危険察知能力は生きているようですね、おかしくなっていても。隙だからの背中から砲弾をぶつけられたというのに回避してみせる。
そんな人間離れ足した恭也にしびれるあこがれるー!!
というわけで、桃子さん第二射目を構えます。ええ、それはもうじっくりと。
命中判定が高くなるようじっくりと狙い済まし、トリガーを引く!
『ドゴンッ!!ベチャッ!!』
また、けたたましい音と、何か液体のようなものが叩きつけられ広がる音。
だというのに、恭也君は無傷、損傷なし、ピンピンしてます。
トリガーを引いた瞬間にどうやら神速でも使ったのでしょうか、先ほど立っていた場所よりも大きく離れた場所でゆらりゆらりと立っています。
外れたことを確認すると桃子さんの顔が青ざめます。残弾は後一発です。
戦々恐々としている桃子さんのことなど気にせず、恭也君がアクションを始めます。
左足だけでとんとんと軽くジャンプして何かを確認していると急に深くしゃがみ込みバネを溜めるような仕草をします。
「ギシャッァアアアアア!!」
またもや奇声。もはや今の恭也君からは奇声しか出ないのではないでしょうか。
はたまたよく分からない片言か。
とにもかくにも、飛びます、跳びます、トンできます。
ベランダにいる桃子さん目掛け放物線を描くように飛び上がってくる恭也君。
それ、なんて北斗神拳?片足だけで3m近くと飛び上がるとかどんだけー、と聞きたくなるような常識離れしすぎて、もう呆れて感心するしかない跳躍力です。
でも、相対している桃子さんにとって見ればもはやこの終わり、神様仏様と祈っている暇もありません。
美由希君の先ほどの暴行を思い出せばよく分かるでしょう。
半端無いです、手加減ないです、死んでしまいます。
「南無三!!」
流石、肝っ玉母さん桃子さん。怯えを恐怖を飲み込み、中空にいる恭也君に向け方針を向けバズーカを構え、躊躇い無くトリガーを引きます。
『ドゴンッ!!ベチャッ!!グシャッ!!』
華麗にクリーンヒット。恭也君の体全体がものの見事にずぶぬれになっています。
ちなみに何でずぶぬれになっているかというと、墨汁です。
ベランダに飛び乗ろうとしていたのに墨汁弾をまともに浴びて落下、つぶれた恭也君を心配するようにあわてて桃子さんは中庭に向かいます。
もちろん、まだ正気になっているか分からないため墨汁弾を一発補充してから。
「恭也、恭也大丈夫?」
言葉とは裏腹に、バズーカの砲身を恭也君に突きつけたまま問いかけている桃子さん。
いっそ清々しいまでに異常事態です。
ムクリ、うつぶせに倒れていたのを仰向けにひっくり返ってから起き上がります。
母親が心配そうな顔で砲身を向けているというのに彼は顔色一つ変えません。
まだ放心しているのですかね?なんて思っていると――――
「かあさん、すまんがそれをどけてくれ。おっかなくてかなわん」
何時もの落ち着いた声を出す恭也君。桃子さんもやっと一安心です。
それにしても、何故墨汁弾を恭也君に浴びせたのでしょうか?
種を明かせば簡単なこと、真っ白い服を着て暴走したのなら服を真っ黒にすればまた元に戻る、それだけのことです。
でも、何故という疑問がひとつ。桃子さんあんたどうやってこの解決策を知っていたの?
「ウォホン、昔恭也が似たように暴れたことがあったって士郎さんに聞いていたのです。
このバズーカと解決方法はいわば愛しのダーリンの置き土産です」
「かあさん、誰に向かって何を喋っているんだ、まったく持って話が見えん」
「あー気にしないで気にしないで。なんとなく説明したくなっただけ」
「そうか」
頭の先から靴の先まで真っ黒にずぶぬれの恭也君は疲れたようにため息ひとつ。
体中の筋肉が明らかにおかしく働いていたためだろう。
と、そんな恭也君のことを優しく見つめる視線がひとつ。
「まあ、まあ。元に戻ってよかったじゃない。水じゃなくて墨汁も滴るいい男ってね」
「からかうな。それよりも…………これ、どうするか」
くしゃくしゃと頭を撫でてくれる桃子にされるままになりながら恭也はちらりと視線を下に落とした。
彼の視線の先には品詞の重傷を負っている美由希君がひとつあります。
何とも言いがたい微妙な表情を浮かべながら恭也君は一言、
「学校の裏山に埋めるか」
「埋めちゃダメ!!っていうか、学校の裏に山なんて無いでしょ」
『えーっと救急車救急車、フィリス先生に見てもらわないとー』
なんて慌しく電話する桃子さん。そんな二人の様子を、薄っすらと目を空けながら美由希ちゃんが一言。
「ふ、不幸だ……」
お後がよろしいようで。(良くない)
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