このSSはただの電波SSです、何の期待もしないでやって下さい。











その名はセイバー








――――体は萌で出来ている


血潮は触手で、心はロリっ子

幾たびの戦場(コミケ)を越えて不敗

ただの一度も敗走はなく

ただの一度も理解されない

彼の者は常に独り、ブルマの丘で獣耳に酔う


――――ゆえに、生涯に意味はなく

その体は、きっと萌で出来ていた






 
 呪文の詠唱が終わるとともに展開される己の内の世界。

 そこにはオレの知る限りの全ての萌が詰め込まれている。

 この空間にいる限りオレは限りなく萌となるものを生み出しハアハアできるのだ。

 たとえ何人であろうとも干渉することは不可能な結界、「妄想空間」

 オレの使うことのできる唯一にして絶対の魔術。


 ・・・いや、ぶっちゃけただ妄想に浸るだけなんだけど。


 おっと自己紹介が遅れたな、オレは十坂静馬(セイバー)。

 自分で言うのもなんだがハードボイルドの似合う金髪碧眼のナイスガイ(死語)だ。

 そして、日々究極の萌、この世の全ての萌を探求すべく修行する戦士でもある。

 ちなみに戦場は学園という名のコロシアムだ。

 人々はオレを敬い、尊敬し、崇拝す・・・



「道の往来でいきなり呆けるなよ、シズマ」

「やかましい、黙れシロウ。それとオレをシズマと呼ぶな」


 と、ここで思考が現実に戻された。

 オレに話しかけてくる赤毛男、こいつの名は重宮志郎。

 このオレを絶対不干渉のはずの結界からいとも容易く現実世界に引き戻してくる数少ないヤツだ。

 そしてオレの幼馴染でもある。

 幼馴染が素直なかわいい女の子だったら最高だ、大歓迎だ。

 が、こいつは男、ガカーリだ。

 顔こそそれなりに美形なのだがな。

 男の幼馴染など百害あって一利なし。

 二人セットで扱われる上に、801ネタにされることもしばしばだ。

 ・・・百害どころじゃないな、千、いや万は下らないか。


「つーわけでシロウ、お前やっぱいらん」

「訳が分からん。結論から言うな、途中経過を言えシズマ」

「だからオレをシズマと呼ぶな!オレの名はセイバーだ!!」


 こいつには学習能力がないのか!?

 今まで何回同じことを言ってきたと思っているんだ。

 どうせ分かってて言っているのだろうがな。

 とことん嫌なやつだ。


 そんな雑談をしながら通学路を行く。

 変わることのないいつもの日常。

 だからだろうか


「ああ、ここらで日常に変化が欲しいところだな」


 知らずそんな言葉が口から出ていた。


「いきなりなんだ、セイバー」

「曲がり角で美少女転校生とぶつかるとか」

「おい」

「七年ぶりの雪の街で幼馴染(女)に再会するとか」

「コラ」

「堤防に座っておにぎりを食べていると不思議少女に声をかけられるとか」

「人の話を聞け、シズマ」

「シズマというな!!」

 
 人が素晴しい考えを出しているときに声をかけるとは不躾なヤツめ。

 しかもよりにもよってアチラの名で。


「大体お前セイバーって呼んでも返事しないじゃないか」

「気のせいだ」

「あのなぁ」

「そんなことなどどうでも良いだろう。今問題なのはこの日常にいかにしてスパイスを投下するかだ」

「変なことを考えるなよ。平穏ならそれでいいじゃないか」

「何を言うか、平穏そのままでは新たなフラグを立てることすら不可能だろう。何かキッカケがなくては」

「フラグって何だ・・・」


 とにかく今は見ぬこのSSのヒロインの高感度UPイベント、というか遭遇イベントを発生させるための手立てを考える。

 なにか、こうインパクトが欲しいな。

 こう、あれだ。「ハートを狙い撃ち、とかいってな!!」みたいな感じなやつ。


 しかしそうそうそんなシチュエーションが落ちているわけもなく通学路の大半を消化してしまった。

 思い立ったが吉日、何とかしたいのだが名案が思い浮かばない。

 いや、焦ってはダメだ。ランダム遭遇イベントは運も必要だからな。

 急いては事を仕損じる、古人もそう言っているではないか。

 待ちの姿勢も必要ということか。


 そしてオレ達は今後の日本の行く末についての議論を交わしながらT字路に差し掛かった。

 某世界ならばここで美少女転校生にぶつかり話が始まるのだろう。

 しかしこの世界ではそう都合よくはいかない。

 別にいいさ、さっき待ちの姿勢も大切ということを認識したからな。

 オレの類稀なる黄金律は近いうちに発揮され理想郷への道を・・・


「はわ〜、退いて下さいぃぃ〜」


 ドガァッ!!



「ぐふぅっ!?」

「うきゃぁ」


 横から思い切り体当りを喰らい、空中に舞うオレ。

 その際横回転を加えるのも忘れない。

 ビバ、オレ。華麗だぞ、オレ。

 ・・・そんな現実逃避をしたところで後に待ち受ける結果は変わらない。

 そう、オレも所詮は重力に魂を引かれた人種に過ぎない。

 だから地の戒めから逃れることなどできるはずもなく


「げはぁっ!!」


 アスファルトの地面に落下し叩きつけられた。


「おい、大丈夫か?」


 シロウが声をかけてくるがその声には微塵もオレに対する心配など混じってはいない。

 あくまで形式上の気遣う言葉。

 ふ、さすが我が戦友。その冷たい視線が心地良いぞ。

 いかん、思考回路が壊れ気味だ。早くもとに戻さなくては。

 現状把握現状把握。

 

「あ、あの、大丈夫ですか?」


 血の海に沈んでいるとかけられる優しい声。

 これはもしやアレか!?遭遇イベント成功か!?

 だったらこんなふうに倒れている場合ではない。

 選択肢を選ばなくては、高感度のあがるやつ。


   大丈夫なわけねぇだろ、コノヤロウ

 → ああ、大丈夫だ。心配することはない

   オレはもう駄目だ、ハァハァ…


 無難にこれだな。てか何なんだ、三番目のやつ。

 まあいいや、時間切れになる前に選択しておこう。


「ああ、大丈夫だ。心配することはない」


 そしてオレは声をかけてきた人物を見て硬直した。

 確かにソイツの顔は美少女といっても過言ではないほどのものだった。

 制服もオレたちと同じ学園の制服だ。

 そしてその表情からオレのことを心の底から心配してくれていることもわかる。

 性根が優しいのだろう、メインヒロインにふさわしい能力値だ。

 うむ、それは認めよう。

 だがそいつは最初にして最後の条件を満たしていなかった。





 そう





 そいつは


 


 男だった。





 

 世界を包むつかの間の静寂。




「なんでだ、おかしいだろ!!」


 びくっ


 オレのあげた声にそいつは怯えたように身をすくませる。

 おお、その仕草にはそそられるものが。じゃなくて!!


「このような角でぶつかるのはメインヒロインと決まっているものだろう。それが何故男なのだ!?」

「知るか、俺に訊くなよ」


 勢いつけて起き上がり近くにいたシロウに疑問をぶつける。

オレだって理性では分かっている、そう都合よくはいかないと。

 だが、ここまで条件がそろっているにもかかわらず最終条件が間違っていたというこの憤りをどうすればいいのか。


「待ちやがれ!逃げられると思うなよ!!」


 と、そんな時、件の彼が来た方角から野太い声が聴こえてきた。


「ひっ」


 目に見えて硬くなる彼女、じゃない彼。

 名前を知らんので識別用に美少年(仮)と呼ぶことにしよう。

 
「ようやく追いついたぜ」


 後ろのほうから走ってきたそいつ等は見た目からして不良っぽかった。

 ああもチャラチャラした格好をされると批評する気も失せるというものだ。


「あぅぅ」


 美少年(仮)はどうやらあれらに追われていたようだ。

 その途中で俺と激突したわけか。

 ・・・オレをあんだけ吹っ飛ばせる力量の持ち主が何で逃げてくる必要がある?


「なあ、セイバー。どうする?」


 シロウがめんどくさそうにオレに訊いてきた。

 この場合こいつの質問は二択だ。

 このまま無視して学園へ行くか、この不良を排除するかの二択。

 別にオレとしてはどちらでもいい、むしろいつもなら前者を選んでいただろう。

 しかし

 
(そんな目でオレをみるなー!!)


 美少年(仮)の上目遣いの潤目攻撃によりオレの精神防壁は崩れかけていた。

 だが強靭な精神により抵抗を続・・・


「げっ、貴様、十坂静馬(シズマ)っ!」


 コイツラの排除ケテーイ

 ただでさえ情緒不安定になっていたオレのところへそうとは知らず禁句を投げてきやがりましたよ、この人たち。

 例えるなら大量の火薬の中にダイナマイトを放り込んだようなものだ。


「はいはい、君はちょっと下がっててね」

「え?あの」

「あそこにいるとセイバーの暴走の巻き添え喰らうから」


 シロウが失礼なことを言った気がするが気にしない、気にする余裕はない。

 現在オレの頭の中にあることはただ一つ。

 『オレは貴様をムッコロス!!』

 それのみだ。

 だから、オレは躊躇なくソレを抜き、振りかざす。




「オレをシズマと呼ぶなー!!死ね、天上天下一撃必殺閃光剣(エクスカリバー)!!」





 







 必殺の一撃にて不良を薙ぎ払った後、何事もなかったかのように通学路を行く。

 新たに加わった美少年(仮)も一緒に。

 いつの日かまともなイベントが起きることを夢見つつ。









 続く・・・・・・かもしれない









追記


 ピロリン♪

 美少年(仮)の好感度が5上がった!



「うわっ、何か余計なもんが上がりやがったぁぁ!!(泣」






 <あとがき>


 どうも、楓紅葉です。

 静馬ってセイバーと読むことができるなぁ、と思いついたことが発端のこのSS。

 自分でも何が書きたかったのかわからない、意味不明な電波モノと化してしまった・・・

 半年近くまともに活動していないからか・・・、元からこんなんだろうというツッコミは勘弁して(汗

 10万HITには何とかまともなモノを送るつもりなので今回はご容赦をば。








す、すまぬ……、十万ヒット行ってから乗せてしまって……ちょっとレポートに追われて
所で逝くのか?あの世界へ……。いや、絶対に私は行かないので間違ってもお誘いしないでくれよ〜〜。
でわ〜〜



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