唐突だった。それは本当に唐突だった。
ここ高町邸のとある室内、3人いる少女のうち1人が、悲鳴にも似た言葉を発したのだ。

「や〜ん、あたしのバージンピンクちゃん〜」

のっけからクレイジーなテンションで喜び浮かれている月村忍。
嬉しそうに笑っている顔から、彼女が本当に今の状況を楽しんでいてなおかつ、頭がイカレているとしか思えない台詞を吐かせるだけのものがあるのだろう。
そう、彼女の目の前にあったものは――――――――――――――――――『おっぱい』

瑞々しい白く澄んだたわわな果実。
触れれば搗き立てのおモチのように柔らかな感触。
乳房に対して大き過ぎず小さ過ぎないまさに理想のチェリー。

「………………………」
  「ハァハァハァハァッ」
  「ちょ、忍ちゃん、怖いよ?」
  「ハァハァッ…………」
  「おーい、忍ちゃーん」
  「落ち着かんか、この馬鹿者」
  「アイタッ!!?ちょっと痛いよ、恭也。グーはないでしょグーは」
  「でも、今の忍ちゃんホントキモ…………じゃなくて、怖かったよ」
  「うっ」
  「ハァー。何をそんなに血走った目で興奮しているんだ、お前は」
  「だってだってー、仕方ないじゃん!この『おっぱい』があたしをおかしくさせるだもん」

駄々っ子のようにわめき散らしている忍。
上半身を裸でさらしている恭也の胸元をビシッと指差し、豪語した。
指されたときに思わず恭也が引いたため、これでもかと主張する胸がふよんと大きく揺れる。あまりに扇情的な光景を見たためか、再び忍の瞳が血走りだす。
自分を隠すことのない忍の様子を見て、恭也は胸を隠すことなく深いため息を吐いた。
女であると認識をしていないのか、はたまたこの面子なら隠すことに意味がないと思ったのか、恭也は堂々とした仕草でいた、
もちろん、この場の一番の良識人である藤代綾子がこれを許すはずもなく、

「きょ、恭くん。落ち着いてないで、胸、胸隠してよ」
  「胸を隠したら、どうやってそれの付け方を教えてもらうんだ?」
  「うぅ。一理あるけど、それでも隠さないとダメだよ」
  「綾がそういうなら仕方ないか。えーっと、上着上着」
  「もう、これは据え膳食わねば男の恥ってやつですか、そうですか!!」
  「馬鹿なことを言っていないでお前は落ち着け」
  「そうだよ、忍ちゃん。恭くんのおっぱいが気になるのは分かるけど」
  「お前までそんなこというのか?綾」
  「だって、女の子の目から見ても恭くんのおっぱいは卑怯だよー。嫉妬しちゃうもん」
  「そうだそうだー、嫉妬するぞ、揉みたくなるぞ、吸い付きたくなるぞ、嬲りたく、」
  「お前は同性愛好の気でもあるのか、忍」

藤代と話すと建設的になっているはずなのに、どうも恭也の胸を見てからの忍の様子がおかしい。まるで獲物を捕食するハンターのごとく餓えた目をしている。
狂いっぱなしの忍にあきれ、恭也はただただどうすることもなくあきれたように彼女の事を見るしかなかった。項垂れている様子を見て不憫に思ったのか、綾子はイスに掛けてある恭也のカッターシャツを広げ、素肌をさらしている恭也の肩にそっと掛けてあげる。
何気ない思いやりがジンときたのか、恭也は思わず熱っぽい瞳で彼女に礼を告げ、今度は忍のほうに冷たい視線を送った。
冷ややかな視線を浴びようやく落ち着いてきたのか、忍からある質問が恭也へと投げかけられる。

「ねえねえ、恭也は自分の胸見て興奮したりしないの?」
  「お前、俺のことをナルシストとでも思っているのか?」
  「しかめっ面しないでよ。じゃあ質問変えて、私か綾ちゃんの胸見たらどう?興奮したりする?」
  「そうだな――――するんじゃないか」
  「じゃあ、男だったときとどっちのほうが興奮する?」
  「お前何を確認したいんだ――――まあ、男だったときだろう」

ハァッ、とひとつため息を吐きながら恭也は『早く男に戻りたい』と愚痴をこぼす。
憂鬱そうな背を見て、柔らかく優しい声で『早く戻れるといいね』と声を掛けたのは綾。
  『精神が女の子かしてるのかな――――でも、やっぱりあのおっぱいを前に何も思わないなんておかしいよー。私なら…………ブツブツ』と何かを分析したいのかそうでないのかわけの分からなくなっているのが忍。
  『ふぅー』と、3人がタイミングを見計らったようにため息が重なり思わず顔を見合わせ苦笑する。

「まあ、こうしていても仕方ないし、そろそろ始めようか」
  「へ、何を?」
  「ブラの付け方だよ、忍ちゃん。忘れてたの?」
  「あ、ああ、そうそう。いやー恭也のおっぱいで興奮しすぎちゃって」
  「……………………」
  「あ、あはははーなんてもことあったりなかったり。さあさあ、綾ちゃんさくっとばっちりと恭也にレクチャーして上げよ」
  「もー調子良いんだから」
  「あははははっ」

この家に来た当初の目的を遂行するために綾が声を掛けたのに、忍はすっかりそれを忘れていたらしい。
無表情に恭也に見つめられて、忍は乾いた愛想笑いを浮かべ、綾に先を促した。
綾は小さくクスクスと女の子らしい笑い声を上げていて、忍は乾いた愛想笑いがだんだんと引きつった苦笑いに変わっている。
流石に顔の青ざめ始めた忍を見ると不憫に思ったのか、無表情に冷たく見ていた視線を和らげ二人に声を掛けた。

「それじゃあ手ほどきのほど宜しくお願いする」
  「よっしバッチコイ!あんなことからこんなことまで教えてあげるから!!」
  「えっとー、宜しくお願いします」

恭也が許してくれたようなので、忍は思い切って制服の上をガバッと脱いだ。
彼女は黒いブラジャーを身に纏っており、買い物の際に恭也に勧めたものと酷似していた。
所々レースが編みこまれ、胸元を大胆に出しているそのブラは、彼女の大きな胸にくっきりとした谷間を作っていた。
黒い下着が忍の透き通るように白い肌をぐっと引き立てている。

露になる彼女の肢体に、思わず恭也は頬を赤らめて顔を背ける。
自分の体を見るのと人の体を見るのとでは、やはり違うらしい。
赤くなって、頭を振っている恭也の姿を見て、内心忍は安心していた。
幾らスタイル抜群で、同性の目から見ても羨ましくなるような状態になったとしても、やはり想い人。女性らしくよりも男らしい彼に心惹かれるのだ。
ならば結論としては早く男に戻ってほしいわけだが、まぁもう少しこの状態でしか出来ない遊びがしたいらしい。
(綾ちゃんはどう思ってるんだろう?もしかしてライバル?)

その綾はと言うと、モジモジとして恭也のことをちらちらと見、気恥ずかしそうに忍に話しかけた。

『あのね、忍ちゃん』
  『どうしたの、綾ちゃん』
  『その、私も脱がないとダメかな?』
  『まあ、脱がないとブラの付け方実演できないよねー』
  『うぅー』
  『恥ずかしくなった?』
  『恥ずかしいよー。恭くん、体は女の子だけど、心は男の子なんだよ?忍ちゃんは恥ずかしくないの?』
  『そりゃ恥ずかしいよ。でも、恥ずかしがってたら教えられないし、それに――――』
  『それに?』
  『顔赤くしてる恭也見ると、私のこと女として見てくれてるんだなーってちょっと安心するんだよね』
  『そっか』
  『そうそう。どうする、脱ぐのやめとく?』
  『ううん、私も…………覚悟決めたよ』

キリッとした表情に切り替わる綾。まるで剣道の試合の前のように緊張した面持ちである。
だが、彼女の顔を見て忍は一瞬ドキッとしてしまう。
よく見る表情ではないが、見覚えのある顔立ちだからだ。
――――――――――恋した女の子の顔。

(あちゃー)

無自覚だったものを自覚させてしまったのか。そんな後悔が忍の中に芽生えたが、何事もポジティブが心情の忍としてはすぐに忘れてしまった。

(いまさら一人増えたところで変わらないよね)

無口で無愛想で無鉄砲で鈍感で、でも優しくて強くて家族想いで。こんな彼のことを想っている女の子を忍は身近にいる人物だけでも片手に収まらないくらい知っていた。
まさに彼女が言うように、いまさらひとり増えたところで変わりない、だ。

「ぬ、脱ぐから、こっち見ないでね恭くん」
  「あ、ああ…………わかった」

顔中真っ赤にしながら恥ずかしそうに制服の上を脱いでいる綾子。
律儀にあさっての方向を向いて脱いでいる彼女のほうを見ないようにしている恭也。
ようやく準備が出来たので、忍は綾子と並ぶようにたってレクチャーするための準備を始める。
まずは買ってきたブラ&ショーツをダイニングテーブルの上に広げて、恭也に選ばせることからはじめようとしたのだが、

「その、だな。やはりまだ上着は着ていてくれないか」

ここにきて、恭也がごねだしたのである。
これではせっかく恥を忍んで下着姿になった二人が不服になる。
忍は恭也のことをねめつけ、綾は少し安堵したようなそれでいてどうていいか分からずアワアワと慌てふためいていた。
流石にこうなると恭也も弁解するほかない。
グッと生唾を飲み込むような仕草をして、訳を話し出した。

「その、だな。ふ、2人の下着姿を見るとどうでも困惑してしまうというかなんというかだな。一応なりは女になってしまったが俺は男な訳でな。色々と困るというか――――」
  「要するに、興奮するんでよ?」
  「グッ」

恭也にしては珍しく長々と言い訳を上げていると、遮るように忍が突っ込んだ。
もう、ブスッとナイフが恭也の心臓に突き立つような的確で容赦ない一言である。
これまた珍しくパクパクと金魚のように口を動かしている恭也をみて、内心で忍はおかしくて笑いそうだった。
はじめてみたのだろう、こんな表情の恭也のことを。

「えっと、恭くんの言いたいことも分かるけど、脱がないと教えられないし」
  「それに、体育の授業のときのために練習しておかないとね?」
  「は?」
  「あ、そうか。体育のときもあるね、流石忍ちゃん」
  「えっへん。任せなさい」

忍は偉そうに胸を張り鼻高々な様子で、綾は彼女の言葉を聴いて思い出したのか、見落としていたものに気がついた忍に対し嬉しそうにハイタッチしていた。
いまいち会話の流れが分からず、恭也は思わず忍と綾のほうに視線を向け――――――そして見てしまった、藤代綾子を。

夏のヒマワリを思わせるような鮮やか黄色のブラが、彼女の胸元を覆っていた。
忍のブラとは対照的に綾子のはしっかりと彼女の胸元を覆い隠している。
忍のように大胆でセクシーなものではない。だが、少女志向の強いアクセントのついたそのブラは、いっそう中身が気になってしまうような形の気がした。
二人の胸と比べると幾分綾子のほうが小さいが、それでもごく一般的なサイズと比べれば十分大きく、また剣道をしてきただけあって健康的で引き締まっており、十二分に魅力的な半裸である。

恭也の視線に気がついたのか、忍はニンマリとそれはそれは恐ろしいまでに小悪魔な表情を浮かべて綾にささやきかけた。

「ねえ、気づいた?恭也がスケベな視線で私たちのこと見てるのに」
  「え?」

喜んで何度もハイタッチしていた手を慌てて胸を隠すようにする綾。
あわせる様にわざとらしい悲鳴を上げて忍も自分の胸元を中途半端に隠す忍。
綾の姿は初々しく、忍の姿は扇情てきで。
何故この二人がここまで息ピッタリに仲良くなったのか不思議で仕方なかったが、恭也はそんなことを考えている猶予はなかった。

「ん、んんぅん。聞きたいんだが、先ほどの会話の中であった体育の際がどうとかといっていたが、どういうことだ?体育の授業は何か特殊なのか?」

あからさまだった。恭也自身、会話の変え方が失敗したと想ったがもう、なるようになるしかないと腹をくくったのかまっすぐに忍と綾の方をみてたずねた。
未だに体を小さくして隠している綾がゆっくりとした仕草で恭也のほうに向き直る。
忍はというと、もうとっくに腕はブラブラとたらして何時もの様子である、頬が赤いことをのぞけば。

「よーく考えてごらんよ、恭也。女の子だけで着替えるんだよ?上だけじゃなくてスカートも脱がないといけない」
  「それに、女の子同士だとスキンシップの延長で触ったりすることもあるし」
  「綾ちゃんはあるの?」
  「体育の着替えのときはないけど、部活の着替えの際にたまにね」
  「へー、揉むほう、揉まれるほう?」
  「そ、その――――触られるほうだけど…………忍ちゃん、言い方がエッチだよ」
  「そうかな?」
  「そうだよー。忍ちゃんは触られたりとかあるの?」
  「んー。私さ、今まで友達あんまりいなかったからないんだよねー」
  「そっか。でも、今までってことは今はいるんでしょ?」
  「もちのロン。後輩の子でからかってる子がいてね、その子の胸が大きくなるように揉んであげてるの」
  「へー、ねえ私が知ってる子?」
  「うん、きっと知ってるんじゃないかな。神咲那美っていうんだけど」
  「あ、知ってる知ってる」
  「あの――――すまないが、おいてかないでくれると助かるんだが」

キャッキャと楽しげに会話をする二人。やはりどうしても乙女ワールド全開になると一歩も二歩も遅れてしまう恭也は、憮然とした表情で2人に声を掛けた。
2人も恭也のことを置いてけぼりにしたのは悪いと思ったのか、それぞれが申し訳なさそうな表情をしている。
パンッと忍が手を叩き、場を改めるように恭也に向き直った。

「それじゃあ、ブラの付け方をはじめますか。恭也、自分がつけようと思うのを手にとってみて」

「ああ、まあこれかな」

忍に促されて、恭也が手に取ったのは真っ白なブラであった。
一番自分に似合っていない色だな、と恭也は内心で思いつつ、一番無難で何とかなりそうなものを選んでいた。
何故なら――――

「あーあ、恭也それ選んじゃったの?」
  「ま、まあまあ。でも白色も恭くんに似合いそうだね」
  「そうか?あまり試したことがないから分からないが」
  「じゃあ、慣れてるこっちの色にしようよ、黒だよ、真っ黒だよー」
  「それはいい、派手過ぎて落ち着かん」
  「ちぇー、まあいいか。今日はこれだけしか買ってきてないから、使い回しするうちに黒も身に付けるだろうし。桃子さんが知ったら率先して使ってくれると思うし」

すなわちそういうことだ。今すぐアダルトで際どいデザインの黒の下着を身に着けるより、自分が普段使わない色であってもおとなしいデザインのものを選んだ方が幾分かマシ。
だが、忍の言葉に恭也は驚愕としていた。
そう、面白いことが大好きで恭也の母であり高町家の大黒柱である『高町桃子』

今朝も起きてみたらいきなり自分の体が女になっていたというのに、彼女は動じることなくみなを学校に送り出していた。
その中にはもちろん恭也も含まれている。
この世の終わりのような顔をして『学校へは行かない、俺は休む』などといっていた恭也に『さっさと学校に行きなさい、そうじゃなくても出席日数が危ないんだから』と高町家のヒエラルキートップの桃子は一喝して追い出してしまった。
もちろん、グチグチと恭也が反論を述べていたが『いってらっしゃい、恭也』とにっこり笑顔。流石高町家の家長。笑顔で瞬殺。キングオブ桃子、ハイル桃子!!

(かあさんがこの下着の山を見たら…………)

忍の言うとおり、率先して黒い下着を着ろと言ってくるも。
それだけならまだしも、『桃子さんが着せ替える〜』と言って、追い詰めてくるのでは?
いやいや、とても口には出せないあんな格好やこんな格好をさせてくるかも――――――
ぐるぐると負のスパイラルが恭也の頭の中を駆け巡る。

「とりあえず、下着付けてみようか恭也」
  「そ、そうだな………………あれこれ考えるのは後にしよう。そうじゃなくても今日は疲れたから少し休みたい」
  「?」

青ざめだした恭也の顔を見て、何を想像していたのか――――少なくとも桃子の人となりを知っている忍は同情するように恭也の肩を叩き、いまいち飲み込めていない綾は首をかしげながら恭也のほうを見た。
恭也は陰りのある顔で微笑んで見せ首を横に振る。大丈夫、気にすることは無い、と綾に言い聞かせるように。

『パチッ』と奇妙な音が鳴る。
奇妙な音だ、誰か返ってきたのかと恭也がいぶかしんでいると、

「お、おい忍!なにしているんだ」
  「なにって、ブラのホックはずしてるんだけど?」
  「ああ、そうか…………ってそうじゃなく、そんなことしたら見えるだろうが!!!」
  「ブラ外すつもりはないよー。綾ちゃんも早くホック外して外してーなんだったらあたしが外してあげようかー」
  「じ、自分で外すから大丈夫だよー。もー忍ちゃんのエッチ」
  「失敬な、親切心からなのに」
  「でも、顔が笑ってるもん」
  「おっと、失敗失敗」

おどけた仕草をしている忍をよそに、綾もまたブラのホックを外す。
中途半端な位置で止まっている二人のブラジャーが何ともいえないエロスを醸し出す。

そうだ、彼女たちに今日はブラジャーの付け方をレクチャーしてもらうのだ。
何度も話がそれたりするからついつい忘れがちになっていたことを思い出す。
が、それでもどうしても二人の姿を見ていると動悸が治まらないので、恭也は視線をあちこちに飛ばしてはやり過ごそうとしていたが――――、

「はいはーい、注目注目。天井とか見てないでこっち見る。せっかく恥ずかしいの我慢してるんだから」
  「そ、そうだな」
  「でも、できればあまりこっち見ないでくれるといいかな。その…………恥ずかしいし」

三者三様に赤くなったり困り果てたり胸を張ったり。ブラのつけ方をそれぞれが恭也に実践して見せる。

「こうやってね、前かがみになって胸をブラにフィットさせます」
  「何故前かがみになるんだ?」
  「重力を使うためだよ、恭也。カップに胸を入れやすいでしょ」
  「…………ふむ」
  「それから、ホックをとめて背中に脇のお肉をカップに寄せたら…………はい、完成です」
  「胸に持ってくる――――ね。上手くできないんだが」
  「えー、どうしてどうして」

ふよんふよんと下から持ち上げるように二人が恭也の胸に触れる。
触れながら重要なことに気がついてしまった。

「ちょ、やめないか二人ともッ!!くすぐったい」
  「うわうわー!なにこれ、全然余計なお肉がないの」
  「ホントだよ、恭くん。ずるいずるいー、女の子の理想形だよ」
  「本当にやめてくれ…………」
  「恭くん、恭くん。これが女の子のスキンシップだよ」
  「そうそう、これくらい大丈夫でないと今度体育のとき悲惨な目にあうよー」
  「だからといって…………クッ――――そこは、だから――――アッ……くすぐったいから」
  「あーん、もう声だけでもエロスだよ恭也!!」

背中から脇に掛けて、腰部から腹部、胸の谷間へと手を差し込んではあちこちを撫で回して恭也の体つきを確認する二人。
幼少より日々鍛えてきた体にはまったく持って無駄な脂肪がなかった――――大きく膨らんでいる胸を除いて。そんな理想的な体つきをしている恭也に嫉妬してしまい思わず手加減なしにあちこちを触りまくる忍と綾。
くすぐったさと時折触れてはならない部分に触れる二人の手つきに翻弄され、息絶え絶えになる恭也であった。
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